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2.7兆円のアニメ市場、でも「儲かっている」のは誰なのか?

# 2.7兆円のアニメ市場、でも「儲かっている」のは誰なのか? 先日、ある中小の映像関連メーカーの方から、こんな話を聞きました。 「アニメって、世界中で人気ですよね。うちもキャラクターグッズに絡めた製品を出したいんですが、どこに話を持っていけばいいのか全然わからなくて」 市場規模は知っている。でも、その市場のどこ

GRINDA AI
2026년 5월 26일
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2.7兆円のアニメ市場、でも「儲かっている」のは誰なのか?

2.7兆円のアニメ市場、でも「儲かっている」のは誰なのか?

アニメ市場の規模が2.7兆円に達したと聞いても、「では自分はどこに入れるのか」という問いに答えられる人は少ない。先日、ある中小の映像関連メーカーの方から、こんな話を聞きました。

「アニメって、世界中で人気ですよね。うちもキャラクターグッズに絡めた製品を出したいんですが、どこに話を持っていけばいいのか全然わからなくて」

市場規模は知っている。でも、その市場のどこに自分が入れるのか、まったく見えない。この「わかりそうでわからない感覚」、アニメビジネスに興味を持つ方には共通のもやもやではないかと思います。


アニメ市場2.7兆円という数字の「内訳」を見ると、構造が見えてくる

アニメ産業の市場規模が2兆7,422億円(2022年、一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2023」)に達したのは事実です。

ただ、この数字をそのまま受け取ると、少し判断を誤ります。

構成を見ると、海外市場が約1兆2,600億円で全体の46%を占めています。つまり「日本のコンテンツ」が稼ぐ場所の約半分は、すでに海外です。2010年代初頭に比べて、海外比率は明らかに上昇しており、その成長をけん引したのはNetflixやAmazon Prime Videoなどの配信プラットフォームによるライセンス契約でした。

ここで一つ問いが生まれます。この1兆円超の海外収益は、誰の手元に入っているのか。


制作会社は「つくる人」であって「稼ぐ人」ではない

アニメ産業の収益構造を理解するうえで、最も重要な非常識が一つあります。

作品を制作するアニメスタジオは、市場の恩恵をあまり受けていません。

制作現場では、「製作委員会方式」が長年主流です。これは、放送局・広告代理店・グッズメーカー・出版社などが資金を出し合いリスクを分散する仕組みです。制作スタジオは委員会から制作費を受け取る「下請け」の立場であることが多く、作品がヒットしても、版権収益の多くは委員会メンバーに分配されます。

実際、日本アニメーター・演出家協会(JAniCA)の調査(2019年)では、アニメーターの年収中央値は約333万円。これは、同年の日本全体の給与所得者の平均(国税庁「民間給与実態統計調査」・約436万円)を大きく下回ります。

作品は世界中で見られている。でも、つくった人には届いていない。

この非対称性こそが、2.7兆円という数字の「わかりにくさ」の核心です。


では、アニメ市場で誰が「儲かっている」のか

構造を整理すると、収益の流れはおおよそ3層に分かれています。

第一層:版権を持つ者

委員会の主要メンバー、特に出版社(集英社・講談社・小学館など)は、原作マンガの版権を持ちます。作品がアニメ化された瞬間から、出版社はライセンス収益の分配対象になります。

集英社の場合、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』など複数のヒット作を抱え、近年の業績は顕著に改善しています。2022年度の出版市場全体が縮小傾向にある中(全国出版協会データ)、マンガ・コミック分野だけは電子書籍を含めて堅調を維持しました。版権はつまり、「一度握ればヒットするたびに回収できる」資産です。

第二層:グッズ・マーチャンダイジング

アニメ産業レポートによると、グッズ・マーチャンダイジング国内市場だけで約5,800億円規模です(2022年)。

フィギュア、アパレル、文具、コラボ食品……これらを製造・販売するメーカーは、版権使用料を支払う代わりに、市場の熱量をダイレクトに売上に変換できます。この構造は海外でも同様で、むしろ北米・中国・東南アジアでのキャラクタープロダクツ市場は成長が続いています。

第三層:配信プラットフォーム

Netflixは日本アニメへの投資を明言しており、2021年時点で「日本のアニメ制作会社40社以上と提携、2021年だけで40本以上の新作を配信」と発表しています(Netflix公式プレスリリース)。

プラットフォームは制作費を事前に支払い、独占配信権を得る形が多く、制作スタジオにとってはキャッシュフローが安定するメリットがあります。ただし、版権の一部をプラットフォーム側が持つケースもあり、構造は複雑化しています。


海外展開の最前線:アニメ市場に今どんな動きが起きているか

実は、この構造に変化の兆しがあります。

いくつかのスタジオが、委員会方式を脱して自社で版権を保有するモデルを模索しています。ufotableはその代表例として語られることが多い制作スタジオです。『鬼滅の刃』の映像制作を担当し、品質への評価は高い。ただし、版権の保有構造については外部から確認できる情報が限られており、全体の収益帰属は公開されていません。

一方、確認できる動きとして興味深いのはCrunchyrollの展開です。ソニーグループが2021年に買収したCrunchyrollは、北米・南米・欧州を中心に累積会員数1,000万人超(2023年時点、Crunchyroll公式)を持つアニメ特化ストリーミングです。

ソニーはCrunchyroll × アニプレックス(ソニーグループ子会社)の組み合わせで、版権保有から配信まで垂直統合する構造を持ちつつあります。これは、「誰が最終的な利益を取るか」という問いに対して、ソニーグループが一つの答えを出した形とも言えます。


輸出ビジネスとして見た場合:日本の中小企業にとっての「入口」はどこか

ここまでの構造を理解すると、「アニメ市場に関わりたい」という場合の現実的な入口が見えてきます。

大きく言えば三つです。

① グッズ・ライセンス製品の製造・輸出

版権を持つ出版社やエージェントと正規ライセンス契約を結び、海外向けにキャラクタープロダクツを製造・販売するモデルです。東南アジア・中東・南米では、日本のアニメキャラクターの認知度が上昇しており、正規品への需要も育ってきています。

私たちが観察している範囲では、フィリピン・タイ・ベトナムあたりでは、「正規ライセンス品を日本から輸入したい」という問い合わせが、2022年以降明らかに増えています。海賊版が減ったわけではありませんが、所得層の上昇とともに「本物を持ちたい」需要が生まれています。

東南アジアのバイヤーに接触する具体的な方法を探している方には、190カ国のバイヤーリストの中から東南アジアの卸業者3社と接点を作ったフィリピン展開の事例が参考になるかもしれません。こうした動きは、正規ライセンス品の輸出を検討している企業にとって、一つの現実的な入口になりつつあります。

② コンテンツ制作の周辺サービス輸出

翻訳・ローカライズ、音響制作、背景美術など、制作の下流工程の一部は海外に移転しつつあります。特に韓国、中国、東南アジアの制作会社への外注は珍しくありません。この領域は、アニメ制作の専門技術を持つ企業が入れる余地があります。

③ 越境ECによる公式グッズ・同人グッズの輸出

版権絡みの問題が複雑なため難しさはありますが、コミケで販売されるような同人誌・グッズの海外需要は実在します。Twitterや海外Redditでの「日本のグッズ代行購入依頼」の量は、肌感として増えています。ただし法的・商業的な扱いは個別確認が必要なので、ここでは「需要の存在」の指摘にとどめます。


まとめ:アニメ市場2.7兆円を「地図」として読む

「アニメ市場が大きい」という話は、ニュースで何度も流れます。

でも、その2.7兆円がどこを流れているかを地図として描くと、様相が変わります。 版権を持つ出版社・委員会メンバー、グッズを製造・販売するメーカー、配信権を握るプラットフォーム——この三者が主な受益者であり、制作スタジオはその構造の中で「欠かせないが報われにくい」位置に置かれてきました。

市場に入ろうとするなら、「どの層の、どのポジションに入るのか」を最初に決めることが現実的です。漠然と「アニメ市場に絡みたい」では、結局どこにも入れません。

この市場で、あなたの製品やサービスはどの層と接続できそうでしょうか。思い当たる接点があれば、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。

海外バイヤーの探し方や輸出戦略についての情報は、RINDAのサービスページもご覧ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. アニメ市場に海外営業で参入する場合、最初に接触すべき相手はどこですか?

A. 版権を管理する出版社の版権部門、またはライセンス専門エージェントが最初の窓口になります。いきなり制作スタジオに連絡しても、版権の決定権を持っていないケースがほとんどです。まず「誰が版権を握っているか」を確認することが出発点です。

Q2. 越境ECでアニメグッズを販売したい場合、正規ライセンスは必須ですか?

A. 既存キャラクターを使った商品を販売する場合、正規ライセンス契約は原則必須です。無許諾での販売は著作権侵害にあたるリスクがあります。一方、版権を持たないオリジナルデザインや、許諾範囲が明示されている同人グッズについては個別の確認が必要です。輸出ビジネスとして本格展開するなら、法務リスクの整理を先にやっておくと、後の動きがずいぶんスムーズになります。

Q3. 東南アジア向けの海外展開で、特に需要が高いアニメグッズのカテゴリーはどれですか?

A. フィリピン・タイ・ベトナムなどでは、フィギュア・アクリルスタンドなどのコレクターズアイテムと、アパレル(Tシャツ・バッグ)の需要が目立ちます。特に「日本国内でしか買えない限定品」へのニーズが強く、正規輸入品としてのプレミアム感が購買動機につながっています。


海外販路開拓の情報をお届けしています。


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